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知らない間に パーキンソン病・・・

    パーキンソン病は「神経難病」として知られています.高齢化とともに増加し,後期高齢者では約1,000人に一人がパーキンソン病になると言われています.脳の中の「ドーパミン」が減少する病気ですが,放置すると数年で動けなくなる「身体」の病気でもあり,レビー小体型認知症に似た認知症を起こすことでも知られています.

診断と治療

    パーキンソン病では“四徴”と呼ばれる症状,すなわち 振戦<手足のふるえ>・筋剛直<筋肉のこわばり>・寡動症<動きの減少>・姿勢反射障害 が現れ,少しずつ 社会生活を送ることが難しくなります.我々のような「神経内科専門医」にとっては その診断は難しくありません.また DaTSCANなどの新しい診断法も普及し,診断しやすくなっていると言えます.一方,過去50年間に治療法が大きく進歩し,『治療可能な難病』に近づいていると言えるでしょう.

『隠れパーキンソン病』とは・・・

    診断・治療ともに進歩の著しいパーキンソン病診療ですが,「非神経内科医」の先生方や一般の方には,依然,扱いにくい病気のままかもしれません.知らない間に発症し,神経内科医の目に触れることなく「重症パーキンソン病」へと静かに進行されることがあるのです.発症から数年が経過し,寝たきり状態になってから,神経内科医の「訪問診療」を受け,そこで初めて「パーキンソン病」と判明する患者さんが散見されます….「隠れパーキンソン病」と言えるかもしれません.こんな場合でも 通常のパーキンソン病治療で『劇的に改善』され,我々も驚くほど元気になられる方もおられます.

    『パーキンソン病なら手足が震えるだろう』と考えてしまいがちですが,そもそもパーキンソン病の患者さんの約1/4は  『振戦<手足のふるえ>』が目立ちません(いわゆるAR型パーキンソン病です・・・).このような方は「パーキンソン病」を発病しても発見が遅れがちなのかもしれません.「近頃,だんだんと動けなくなってきた」,「めっきりと 言葉数が減った」,「言葉をかけても返事がなく,認知症ではないかと心配している」.そんな方がおられたら,疑ってみることが大切ですね.

     「便秘になった」,「寝言をよく言う」,「匂いが分からない」,などの症状がパーキンソン病に先行すると言われますので,これらのある方は特に要注意です.『隠れパーキンソン病』を疑われたら ぜひ,身体と脳と心の専門医である私共にご相談ください.

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