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ありがとう,マヨラーさん!

  多数の神経難病患者さんを診ておりますと,患者さんやそのご家族から多くの学びがあります.本当にありがたいことです.ここでは神経難病の方の服薬の大切さを教えてくださったMさんのことを書いてみます.

マヨネーズ和え.

   Mさんは神経難病のため,錠剤の薬を飲むのが苦手です.飲みやすいように薬を粉砕してみたのですが,吸気に乗って薬が喉に流れ込んだり,薬を流し込むときに水を誤嚥するなど,別の苦労を抱え込むことになられました.
   Mさんは大のマヨネーズ好き.いわゆるマヨラーです.ある日,粉砕した薬を「マヨネーズ和え」にすることを思いつかれ,両者を“練るネル”した物体をお口へ放り込まれたのでした.すると,無事,むせることも,誤嚥することもなく,飲み込めたのだそうです.
   この話を他の患者さんにいたしますと,『私もやってみる!』という方が多数,現れました.あ,製薬会社や薬剤師さんがお聞きになると卒倒されるかもしれませんし,あくまでも「自己責任」でなさったことですので,ご了承ください!   マヨネーズと薬剤の相互作用については検討の余地がありますし,食品を用いなくとも『おくすり飲めたね©』や『らくらく服薬ゼリー©』等の薬の内服を助ける既製品*もありますので,あくまでも一つの事例としてご理解いただけますと幸いです.

 

意外な展開.

  『マヨネーズ和え』は ただ単に「飲み易さ」だけでなく,服薬による誤嚥リスクを下げるメリットがあるかもしれません.また,お薬を飲ませる介護者の方の負担が大きく減ることにも注目しています.ここからは『一つのお話』として聞いていただければと思います.
 
   意識レベルの低下しているXさんに薬を飲ませるのはとても難しいです.食べ物をお口に運ぶと反射的に食べてくださる方なので,薬を食物に混ぜて内服させるそうです.しかし,混ぜた薬によって味が変わり,吐き出されることもよくあるそうです.そこで食後に「粉薬のマヨネーズ和え」を頬の内側に塗ってみたところ,なぜか,数分後にはすっかり「自発的に飲み込む」とか.薬のはき戻しや拒薬が無くなり,薬の効果が安定することで ADLが改善したそうです.自分のことのように嬉しくなります.これもMさんのおかげですね.
   ちなみに,マヨネーズ以外にも,ケチャップや“海苔の佃煮”をお使いになる猛者が患者様におられますが,あくまでも自己責任でお願いしますね.
                                               *龍角散や森永製菓,和光堂などから販売されています.
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